2400人中のファイナリストたち
もう7月ですね。
今年もすでに半分が終了したってやばくないすか。こんなんすぐお正月くるじゃん。
これ毎年言ってるわ。
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[7月1日 トルコ ギョレメ]
今日からがカッパドキア観光の日。
カッパドキアの地域では気球ツアー以外にも、レッドツアー、グリーンツアー、ブルーツアーと地域ごとにツアーが色分けされている。
一番人気なのがレッドツアー。
様々な奇岩地帯や国立公園があり、それをギョレメからスタートして30キロを一周ぐるっと周るらしい。
車やバイクでもいけるが一番安い手段は自転車。
時間はかかるし疲れるものの、岩山に囲まれた長い一本道を自転車で下るのが風が気持ちよくて最高らしい。
やるしかねえ。
朝9時、宿のテラスでご飯を食べる。
こんな景色を前に朝食を食べるとは、
なんてブルジョワジーな。
今日のメニュー。
もちろんチャイは飲み放題。朝から甘々のチャイを三杯も飲んでしまった。
前日に宿を予約した時、1日分だけしか取っていなかったので延泊しようとしたらすでに満員。
現在のカッパドキアはハイシーズンに入りかけてるからだそうだ。
なので違う宿に移動することにした。
その道の途中、旅行会社で気球の値段について相談しに行った。
しかし、60〜70ユーロだった気球ツアーも2018年の2月を境に120ユーロ、遂に現在に至っては最安で200、普通の値段で300ユーロと価格が爆上がりしているそう。
加えて、俺のような1人のためにツアーを組めるのはそう簡単ではなく、団体に売るのが基本。と言われてしまった。
さらにさらにここ3日間、全ての気球がキャンセルされている。
理由は風が強く、寒いから。
いやそんなん服着てどーにかせえ！！飛べ！！
それ一瞬で解決する問題！
本来カッパドキアの地域では一度に1400もの気球が飛ぶのだが、色んな旅行会社が半年前とかから大量の席を買い取っているのもあるのも原因。
それに追い打ちをかけるかのようなこの3日間のキャンセル。すでにギョレメの村でも3000人以上が待ち状態らしい。
なので、運良く買えるとしても高いコミッショナーから400ユーロで買うしかないと言われた。
日本円にして5万円。
流石にそのお金をここだけのために費やすとこの先の旅がかなり厳しくなる。現実的に無理だ。
こうしてカッパドキアで気球に乗るという俺の夢は儚くも打ちひしがれてしまった。
ネットに載っていた情報とは大違いだった。
これに関してはどうしようもない。
それにしても、このためにしたヒッチハイクの疲れの意味が全て無に帰したような気がした。
野宿してまであれだけ体張ってここまで来たというのに。
と考えてもしょうがないので、気球は下から見て写真を撮ることで満足するしかない。
そう自分に言い聞かせる。ここは我慢だ。
そうだ。将来老いぼれの爺さんになって、あとの余生を楽しむだけになった時に来よう。
出来ればその時までに、一緒に来てくれる婆さんも見つけよう👴👵
うーんなんてポジティブ！
もう旅行会社には用はない、宿にチェックインしよう。
ギョレメにほんとに沢山の宿がある。
そのためか値段も大して変わらないので実際どこに泊まっても同じかもしれない。
そう思っていた。
が、今回の宿は違った。
ネコおる！
ネッコ！小さいネッコ！！
生後3ヶ月の猫。ここの宿に住み着いているらしい。
人懐っこく、撫でると指を甘噛みしてくる。
毛並みはとても綺麗で、目がまん丸としていて体の大きさは手のひらサイズ。たまらん。
可愛すぎて内臓が飛び出してしまうぐらい強く抱きしめてあげたい。
抱っこしたら、膝の上から離れなくなってしまった。
このまま国際便で日本の実家に送ってしまいたい。体重もかなり軽いから、重さ的にも5000円ぐらいだろうか。払う。
今日の予定としては、
チャリを借りてレッドツアーの道を周ること。
最低半日はかかるのでそろそろ出ようとした。
ロビーで携帯をいじっていたら、日本人に会った。
一個下の男の子だった。
仲良くなってインスタを交換した。
見てみると、名前はタイチ。
Tabippoが主催する世界一周コンテスト・DREAMの優勝者だった。
それは日本最大級の旅イベントで、面接やウェブ投票、そしてプレゼンを勝ち抜いた1人が世界一周航空券をゲットできるのだ。
つまり彼はその激戦、応募者数2400人の頂に立った男だった。凄すぎ。
現在それで世界旅行を友達と一緒にしているのだという。
ここで会ったのも何かの縁、一緒にご飯食べに行こうとなった。
つまり今日は自転車は無し。明日でいい。笑
左がタイチ、右が旅の相棒リクト、そして宿が一緒だったブラジル人のジャミリと夕飯を食べた。
ジャミリはブラジルで弁護士をやっている。
サッカーが大好き。
「メッシはネイマールには勝てないわ！」
と言っていたので、それは無いわ！って反論したら爆笑してた。
夜も老け、宿に戻ってタイチ、リクトと駄弁る。
この宿は時間関係なくチャイが飲み放題なので、時間を潰すにはもってこいだ。
2人は福岡出身。
高校は別だが、陸上で同じ競技だったことから仲良くなり、いつか世界旅行をしようと決意したらしい。
実はこのDREAM、タイチは1人ではなくリクトと一緒に参加したらしい。
その理由も面白いことに、1000円で一次会の交流会に参加できて情報も集められるからという事のみ。
おまけに、女の子に会えるから。笑
つまり、当初は2人とも優勝なんて全く考えてなかったそう。
最初の選考の時点で2400人から90人に絞られるのだが、2人とも残る。
そしてその後、ウェブ投票とプレゼンでさらに30人に絞られる。
関東がAグループ10人、関西でBグループ10人、そこから下の九州までの地域Cグループで10人という仕組み。
なんとそこでタイチはCグループでウェブ投票1位、リクトも5位だったそうだ。
その投票とプレゼンの具合を加味した上でそれぞれの地区から選ばれた10人が半分に分けられ、セミファイナルへ進む。
片方は広島で、もう片方は沖縄に行く。
そこでプレゼンをして上位2人2人、計4人がファイナルへ行くことになる。
凄すぎることにタイチは広島、リクトは沖縄でそれぞれ勝ち残り、2人ともファイナルへ進出したのだ。
そこまで2人は友としてライバルとして一緒にプレゼンと動画を作ったり、練習をしてきたらしい。
なんだこの青春友情物語は！！！🤝
そしてファイナル、2000人の前で4人が最後のプレゼンをする。
タイチは2番手。
「世界一周×救命」がテーマ。
かたやリクトは大トリ。
「世界一周×フンドシ」笑
リクトはプレゼン30分前にバリカンで頭を五厘に剃り、フンドシ一丁でプレゼンに挑んだ。
2人のプレゼンを見せてもらったが、どっちが優勝してもおかしくないほど2人とも凄かった。
結果タイチがC地区の優勝者となり、見事世界一周航空券をゲットしたのだった。
左タイチ、右リクト。
安心してください、 リクトは赤いフンドシ履いていますよ。
そして今年の5月から約一年間の旅を2人でスタートさせた。最高な友情、アツいねえ。
そしてDREAMの話と共に、旅行業界についても
詳しく聞かせてくれた。
ヒエラルキーの上位に立った彼らだからこそ知る悪いことも色々あったのだという。
ほんとはそれについてここでいっぱい書きたいが、風評被害で訴えられたら流石にダルいことになりそうなので今回は控えることにします笑
ちなみに旅好きの方なら誰もが知っているようなあの某有名トラベラーが企画する交流会は、信者とも言える方達によって成り立つようなブラック寄りのグレーな集会だそう。
タイチとリクトも噂程度の漠然としたものを聞いただけなのではっきりそうとは言えないらしいですが、同じように感じていた人は数少なくないと。
とにかく信者の教祖愛がヤバいらしいです。
人の考え方は自由で人それぞれだから良いのですが、インスタ映えだけだと本当の中身は全然わからないものですね。笑
その教祖が誰かは想像におまかせします。。。
そんな話だったり、お互いの今までの旅の話をしていたら4時になっていた。
俺自身こんなに沢山の日本語を、本物の日本人と喋ったのは1、2ヶ月振りだったのでかなり盛り上がった。
何より3人とも旅の価値観がすごい合う。
話しすぎて顎が疲れた。
明日というか今日の早朝は、3人で景色良い所から気球を一望することにした。
もう気球乗らないからここしかねえ！
頼むからキャンセルすんな！寒くても飛べ！
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